土地の産土神は波自加彌神社です。本殿へ登る一つ目の立派な石段を上った 踊り場の左側に石碑が立っています。これは波自加彌神社本殿、および石段を寄付した野口吉二郎および西尾長次郎氏への感謝の意を表わしたものです。
両氏は二日市の出身で北海道へ渡り苦心の末事業に成功し大きな財を成し、故郷の神社に多額の寄付をしたそうです。石碑の文面は下記の通りです。
謝恩詩碑
北溟治産両陶朱
千里故山神感孚
寿考頒貲祠字峻
古薑神鎮古蓮湖
昭和丙子正陽月 代郷人
謝恩于野口西尾二翁 犀東
北溟で始まる漢詩(七言絶句)の意味を金沢の三田良信先生(故人)に訳してもらいました。
北方の大海で産業を起こし、産を成した二人の資産家がいる。はるか遠く故郷を離れても神に感謝する志を忘れず、先祖を祭り祝うために、資産を惜しみなく使って高く大きな神社の社殿を築いた。こうして古からお祭りするはじかみの神は古来蓮湖(河北潟)に鎮まっておられるのだ。
昭和丙子正陽月は昭和11年陰暦4月のことです。
この詩文と書は国府犀東によるもので、氏は宮内省の漢詩人で、波自加彌神社の県社への昇格運動にもかなり力を発揮しました。国府犀東も二日市とつながりがあったようです。
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