2019年5月8日水曜日

第7回帝展(1926年)入選作 遠足

第7回帝展(1926年)入選 遠足
縦80x横100
読書
縦90x横116.5
伊東哲の文展及びその後継の帝展への5回目の入選作です。これまでの写実的な人物像やきれいな若い女性像とは違った描き方です。引率の先生はなんだか疲れているようだし、子供たちもあまり楽しそうではありません。4年前に入選した「行楽の日」とは別人の作品のようです。私の推定ですが、この4年の間に例えば「読書」のような作品を出品したけれども入選にはならなかったのではないかと思います。「読書」における人物の造形は「行楽の日」と「遠足」の中間に来るような感じがします。哲はまだ、自分の絵をどのように特徴づけるか、迷っていたのではないかと思います。
因みに遠足の生徒たちの中心で白い服を着ている女の子は哲の姪で後に富山県福岡町(現在の高岡市)の酒井家へ嫁いだ悦子だと聞いています。

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