2019年3月16日土曜日

里山再生


今日的な意味での「里山」の語を使い始めたのは四手井綱英京大農学部教授だそうです。そして「里山は荒れている」とか「里山再生」などと使われることが多いように思います。石油が安く大量に消費されることになって、日本の里山はそれまでの経済的な意味を失ってしまったのです。筆者は低い山が平野に接する地帯の里山に暮らしています。家の周囲には荒れた里山が広がり、いろいろな意味で生活を脅かしています。かつてのような里山に戻すことは難しいのですが、何とか穏やかな生活ができるようにしたい、里山の現代的な活用を目指したいと思っています。
 里山で最も繁茂している植物は孟宗竹です。昆虫によって花粉を運んでもらう必要もないし、鳥に種を運んでもらう必要もなく、地下茎で横へどんどん広がります。筍の旺盛な成長ぶりで分かるように、他の植物より早く高くなるので、それまで里山の主体だった広葉樹は光合成ができなくなり枯れてしまいます。孟宗竹は10年ほどで枯れて倒れます。また、湿った重い雪の積もる北陸では密集した竹が重なりあって倒れるので、足を踏み込めないくらいになります。よく、竹は根を張るので地震に強いと言いますが、実際は根が浅く、土砂崩れに対する防御はほとんどないと言っていいでしょう。
倒れた枯れ竹を切って整理している

竹が重なりあって地下茎と一緒に倒れるので、地盤がむき出しになる
写真は竹が重なりあって倒れ、地盤がむき出しになったところです。孟宗竹を伐り倒して地面を開け、広葉樹を育てることが里山再生のスタートです。

0 件のコメント:

コメントを投稿